「帽子は第二の顔、あなたを変える力がある」
良い帽子選びは、人生を豊かにしてくれます。
そして、被るだけであなたの個性が演出できる魔法のアイテム。
涼しくて軽い、暑い季節の帽子、それはパナマハット。
トキヤ草という天然草を、1つ1つ手で編んで作るというエクアドル発祥の帽子です。
そのパナマハットの中にオプティモというモデルがあるのをご存知ですか?
実は、パナマハットと聞いて真っ先に思い浮かぶブランドである、イタリアはボルサリーノのパナマハットにも、このオプティモというモデルが存在しています。
これがオプティモというパナマハット。
頭の真ん中に筋が入っていて、不思議な形だと思いませんか?
トップがくぼんでいる、よくある中折れタイプのハットとは違った風貌です。
この筋は、一体どのような意味があるのでしょう?
皆さんは何だと思いますか?
読み進める前に、正解が分かった方がいましたら、、、脱帽です!
目次
パナマハット オプティモの筋の正体
まず、結論をお伝えしましょう。
このオプティモの筋は、ハットを運ぶ時にたくさん船に詰めるように折りたたんだ時の跡なんです。
「なんだ、ただの折り目か。」と思わないでください。
ただの折り目が、今や高級パナマハットの証になった。
何か裏にストーリーがあるような気がしませんか?
この話は、服飾評論家の出石尚三先生が調べ上げた話で、クローズドな場で教えていただいた内容です。
出石尚三先生は、スーツの百科事典、ボルサリーノ物語など数多くの著書を出版されており、ボルサリーノの工房にまで行ったのだそうで、誰よりもハットに詳しい人物であります。
パナマハット オプティモの意味
さて、パナマハットはトレンドに左右されない夏の帽子。
上品な顔立ちで、クラシックな帽子なので、クラシックにも現代っぽく取り入れることもできます。
特に、夏のリゾートなら、大人の余裕を漂わすリラックスしたリネンのスーツに、パナマハットが良く似合いますね。
パナマハットの中の種類で、オプティモという真ん中に筋が通った帽子の、オプティモとは一体どういう意味なのでしょう?
オプティモ(Oputimo)というのは、ラテン語で”第1級の”というい意味の、オプティマス(optimus)からきています。
パナマハットはエクアドルからフランスへ
1級品とされ、今もその地位は揺らぎないものがある高級なオプティモというタイプ。
一体なぜ一本の筋が入るようになったのでしょう?
パナマハットは、エクアドルのマナビというところで作っていた、言ってみればその地域の特産品のようなものでした。
エクアドルの近隣国、ベネヅェラという国に住んでいたライモンディというフランス人は、個人的にパナマハットをフランス・パリのシャン・ド・マルス公園で開かれた第一回パリ万博に出品します。
これはおそらく、フランスに渡った初めてのパナマハット。
そこに注目したある人物がいました。
ナポレオン3世です。
「これはなんぞや!」と、ナポレオン3世がパナマハットを被ります。
パリ万博は1855年。
その20年前、1833年からパナマハットは英語表記されてはいましたが、万博に出てナポレオンが注目したことで一気にその名が知れ渡ったのです。
パナマハットが大流行 世界へ
パリ万博でお披露目となったパナマハット、こうして大流行が始まります。
エクアドルの人たちも、それまでは自分たちの帽子を自分たちで作ろうという発想で作っていた帽子ですので、量産ではなく手間暇をかけ、上質なハットであれば半年近くかけて作り上げていました。
放射線状にどんどん織ってゆくパナマハット。
出来上がったばかりのパナマハットは端が全部出ています。
それを洗って乾かして、洗って乾かして、とやるのです。
木の上で干し、そこから型入れをして、商品にしていきます。
こうした経緯から、
「エクアドル製パナマハットは商品化できるのでは?」
「パナマハットをエクアドルから世界に輸出しよう!」
それまで赤道直下、標高の高いエクアドルのマナビ県で作られ、輸出などという発想すらなかったパナマハットがついに海を超えたのです。
1860年代に近隣国に輸出するようになり、1890年代にはアメリカにも輸出さています。
パナマハットをできるだけたくさん船に乗せたい
ナポレオンがかぶって徐々にブランディングされると、価格も跳ね上がります。
ビジネスとなればたくさんの人が関わり、商売としての色気が出ると、物事を効率化しようとするもの。
特に船便での輸出となれば、少しでも多く積んで、少しでも高値で販売したい。
こうしてパナマハットをコンパクトにしようと試みました。
《半分に折れば、もっと運べないか?》
誰かがそう言った声が聞こえてきませんか?
帽子の形を維持して運ぶと、とても大きなスペースが必要になりますので、船便で運ぶコストを考えたならコンパクトにした方が良いに決まっています。
半分で折って、現地に到着してから戻して販売する案が出てきたのです。
当然、受け取った国の承認は、「パナマハットについているこの跡は何だ?」となります。
そんな時、こう言ったのではないでしょうか。
「この筋、この筋こそが、一級品の証なのでございます。」
ということで、オプティモの折り目は、パナマハットが世界へ広まっていく際に、いわばエクアドルで作られたことを証明するような意味合いを持っていました。
それが今現在でも、高級品されているのですから、男の帽子はたまらないですよね。
おすすめのオプティモ
オプティモのパナマハットで、私がかぶっていておすすめなのはオメロオルテガのオプティモです。
パナマハット発祥のエクアドルのメーカーで、日本で知名度こそ高くないですが、歴史があり技術力もがあります。
ブリム(つば)の雰囲気もよく、クセづけもしやすい。
シンプルなのに、どこか遊び心を感じさせるようなパナマハットです。
優しい、楽しい、紳士的、スマート、潔い・・・見る人によって、感じ方が異なる不思議な魅力を持った帽子が『OPTIMO(オプティモ)』。
シンプルだからこそ、被る人の個性を表現する帽子なのです。
ブリム | 約6〜7cm |
---|---|
フロント高 | 約11cm |
特徴 | エクアドル産本パナマ |
色 | ホワイト |
素材 | 天然トキヤ草100% |
価格 | ¥19,000(税別) |
おすすめ購入店
時谷堂百貨
【時谷堂百貨】はヨーロッパやエクアドルで100年以上続く日本未発売の帽子ブランドなどを開拓し、直接仕入れを行って、オンラインショップで販売しています。
そのため価格が店頭で有名ブランドを購入するよりも品質の割にリーズナブル。
ネットで購入する際に心配される実際の着用感についてもしっかりとサポートされており、30日無料試着サービスとして「サイズが合わなかった場合に返品交換」してもらうことができるので、通販でも安心して帽子を選ぶことができますよ。
編集長の私も時谷堂の帽子はいくつも持っていて、とても気に入っている帽子店です。
【ショップ名】【時谷堂百貨】
【アクセス】ネット限定
銀座トラヤ帽子店
もう1つおすすめしたいのが、銀座トラヤ帽子店。
大正六年創業という歴史ある帽子店で、ソフトハットやパナマハットなどで数々の取り扱いがあります。
ヨーロッパ、アメリカから日本人に向けのセレクションをしていて、アパレル業界の私の先輩方も愛用しているお店です。
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう?
【店舗名】銀座トラヤ帽子店
【アクセス】〒104-0061 東京都中央区銀座2-6-5
まとめ
パナマハットの上位モデル、オプティモ。
オプティモとはラテン語で第1級のという意味の、オプティマス(optimus)からきています。
パナマハットにも色々なクラウンの形状のものがありますが、オプティモは真ん中に一本の筋が入っていて、この筋は輸送時の都合で付けられたものでした。
初夏の旅行に、もちろん普段の帽子にもパナマハット・オプティモがあればファッションがさらに引き立つはず。
軽装になる夏のファッションのプラス1アイテムにも、熱中症対策にも、パナマハットを取り入れてみてはいかがでしょう?
コメントを残す